(終)鹿児島例会(7/10)

7月の三学会合同鹿児島例会は、Zoomによる遠隔開催(事前申し込み)とします。
最近鹿児島大学に赴任された2名の方に講演をお願いしました。 2021年7月10日(土)13:30〜15:30 演者:村中 智明(鹿児島大学農学部・学振特別研究員PD) 演題:水田雑草アオウキクサにおける開花期の多様化とその機構 内容:植物にとって、いつ花を咲かせるかは重要な問題である。
植物は日長を測定することで季節をよむ能力(光周性)を持つ。
冬の到来前に種子を成熟させる必要がある秋咲きの植物には、
日が短くなると開花する短日植物が多い。気温の季節変化は緯度によって異なるため、
日長応答性は緯度に沿って多様化しやすいことが知られている。
そこで、全国の水田に分布する短日植物であるアオウキクサの日長応答性を調べたところ、
緯度による気候変化に加えて、水田の湛水時期にも適応するように多様化していることが
示唆された。さらに、この多様化は、日長測定を担う概日時計の性質変化によって
駆動されることが分かってきた。これらの結果をもとに、アオウキクサの開花期の制御機構と
その多様化について考察する。 演者:小玉 将史(鹿児島大学水産学部・助教) 演題:大槌湾の藻場におけるヨコエビ類の群集動態ならびに魚類との被食
   -捕食関係 〜群落上層と下層の違いに注目して〜 内容:ヨコエビ類は、藻場に極めて高密度で生息し、
藻場生態系において重要な役割を担っていると考えられている。
藻場を構成する海藻・海草類の植物体は著しく器官分化しているため、
藻場内の環境は必ずしも空間的に均質ではなく、ヨコエビ類をはじめとする
小型葉上動物にとっては、植物群落よりも小さな空間スケールで生息場が
形成されていると考えられる。既往研究においては、飼育実験などによって
藻場内の微小な生息場の重要性が指摘されてきた一方、実際の野外調査においては
「植物群落」よりも小さなスケールの生息場はこれまでほとんど考慮されてこなかった。
ヨコエビ類は、藻場を構成する植物体に対して著しく小型であるうえ、
生活型や摂餌様式も多様であるため、藻場内の異なる生息場所に対応して異なる
ヨコエビ類群集が形成されている可能性がある。
そこで、演者らは岩手県大槌湾の藻場において、植物群落よりも小さな空間スケールに注目し、
植物群落を上層と下層に区別してヨコエビ類の調査を行ってきた。
本講演では、ヨコエビ類群集の種組成と現存量の季節変化や、
ヨコエビ類と魚類の被食-捕食関係について、これまでに行ってきた研究を紹介する。 ご出席頂ける方は、以下までメールでお申し込み下さい。
前日までにzoom接続情報をお送りします。
参加費は無料でzoomのアカウントをお持ちでなくても参加出来ますが、
インターネットの使用料は各自の負担となります。 申込先:山本智子(鹿児島大学水産学部) yamamoto@fish.kagoshima-u.ac.jp 申し込み締め切り:7月8日 申し込みメールのタイトルを、「三学会合同例会申し込み」とし、以下の情報をお送り下さい。 お名前(必須): 所属: メールアドレス(必須): 所属学会(該当する項目を残して下さい):植物・動物・生態・会員外 1台のデバイスで複数人が参加される場合は、どなたかお一人お申し込みください。
この例会は、九州沖縄植物学会・日本動物学会九州支部・
日本生態学会九州地区会合同の例会ですが、学会員以外の方の参加も歓迎します。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。